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bmkc2dn74
Joined: 07 Oct 2014
Posts: 5
Location: USA
08 Oct 2014 02:27 |
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 ホイト弓ホ
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, 「名を、俺の名を呼んで！」
「残り少ない旅を再開しようぜ、クランク」
足は、筋肉質から程遠かった身体の作りを変化させ、今では長い距離を休み無しで歩ける体力を培った。ゼフとは違い、風に乗って駆けられない彼にとって、探索の手段は大地に触れる両足のみ。それを酷使して、星の国全土を巡った最後が、中枢である城だ。
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, ――我、なんとか、保っている
土色の顔色をし脂汗を額に浮かべ、苦しそうに顔を顰める意識の無い新緑の髪が美しい青年がそこには居た。
塔の内部は薄暗く、不安定な階段が螺旋状に続いている。それを黙々と進んでいくサイードだったが、暫くするとベッドだけしかない狭い部屋に辿り着いた。お世辞にも、一国の王子が暮らすような部屋には思えない。生活感はまったく無く、豪華なベッドだけが辛うじてその身分を主張するだけだ。
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, けれど、ゼフが見る景色は違っていた。
「引き返せなくさせてしまったのは、他でも無い……私だ」
旅に同行した当初を思い出せば、ルシエは今までよりも幾分、年相応な幼さがあった。言動も行動も、サイードと変わらず直情的だったと思う。けれどそれは、それこそ転がる石のように表面から剥がれ落ち、削られ、今では冷淡な鋭い気配の人物となっていて、到底十七程の大人になりきれていない者とは思えない。
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, 何故なら、精霊王が豊かさを与えた理由は至極下らなく、そもそも求めることに資格など必要ないと思うのだ。
空は、自由な翼を。
「下らない。だから何だっていうのさ。あんた達はただ認めようとしないだけで、現実から目を背け続けた結果、後が無くなっただけじゃない」
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少年は、導かれるように部屋へと足を進め、リサーナの目の前に立った。
「……なん、で」
目的の場所に辿り着いたのか、建物を見上げながら暴れる心臓を落ち着けるように胸を掴み、その者は中へと侵入する。
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本性を晒したらしいリーダーは、テーブルから立ち上がって鍛え抜かれた体を近付ける。至近距離で見た瞳がサイードには腐ってるとしか思えなかった。
布に掛かる一歩手前で女の手が止まった。見たくもないくすんだ瞳が、驚きに揺れている。
可哀想なティルダは、馬鹿みたいに素直に頷いて部屋を出て行く。
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